このシリーズでは、定番バックアップソフトウェアNetVault Backupの、
さまざまな機能や最新情報を紹介していきます。

> VMware Plug-inオプション2.6がQuest vRanger のABMテクノロジーを搭載

NetVault Backup の、VMware ESX仮想マシンをバックアップするオプションVMware Plug-in の最新バージョン2.6がリリースされました。

VMware Plug-in 2.6では新機能として

・Windows Server 2012に対応しました。

・vSphere 5.1に対応しました。
 VDDK 5.1を実装し、ESXi 5.1と5.1U1をサポートしました。

・旧クエストソフトウェアvRanger のActive Block Mapping(ABM)テクノロジーを搭載しました。


■vRangerとは

旧クエストソフトウェアがもつ300以上のソフトウェア製品の中の1つ、VMware ESX専用のデータ保護製品です。特許取得済みのABMテクノロジーを搭載し、仮想マシンにエージェントをインストールすることなく、VMware ESXの仮想マシンをバックアップ、レプリケーションすることができます。

■ABM(Active Block Mapping)とは

これまでQuest vRangerだけが実装していた、NTFS上の未使用または削除済みブロックを除外してバックアップデータ容量を削減することができる、バックアップテクノロジーです。 

今回NetVault Backup のVMware Plug-inバージョン2.6から、このABMテクノロジーを、利用できるようになりました。

> NetVault の VMware Plug-in 2.6 の特長

NetVault BackupのVMware Pluginオプションは、VADP (vStorage APIs for Data Protection) に対応し、NetVault BackupのGUIからVMware ESX環境のデータ保護を簡単に行うことを可能にします。

・個々のVMware ESXのデータ保護や、vCenter Serverの管理下の複数のVMware ESXのデータ保護が、エージェント不要で、1台のNVBU管理コンソールから集中管理することができます

!ポイントNetVault BackupのVMware Plug-in(Enterprise Edition)は、VMware ESX(の台数や、ホストのCPU数)や仮想マシン(の台数)に依存しません。

・仮想マシンのイメージ・レベルのバックアップ/リストアが可能です。

・CBT (Changed Block Tracking) により、仮想マシンのイメージ増分/差分バックアップにも対応しています。
 バックアップオプションから簡単な操作でCBTや増分の指定ができます

 

・WindowsまたはLinux仮想マシンについては、イメージレベルのバックアップからイメージレベルまたはファイル単位のリストアが可能です。
 リストアウインドウでイメージ

・VADPの転送モードは、SAN (SAS、FC、iSCSI)、NBD、NBDSSL、hotaddに対応しています。

・リストア先としても、バックアップ元と異なる代替ESXサーバ、代替データ・ストア、リソース・プールへのリロケートが可能です。バージョン2.6から仮想マシンを名前変更してのリストアも可能になりました。
 

・VSSによる静止スナップショットのサポート - VSS対応のアプリケーションに対し、バックアップの前にVSSベースのスナップショットを実行することが可能です。

・vMotion / vSphere HA / Storage DRS 対応 - 別のVMware ESX上に仮想マシンを移動しても、その仮想マシンを追跡することができ、NetVault側のオペレーションを変更することなく移動後のVMware ESXからデータをバックアップすることが可能です。 バージョン2.6からVMware Storage DRSにも対応しました。

> ABMテクノロジーの不要ブロック除外バックアップの効果

速報ということで、簡単な検証をしてみました。

仮想マシンにOSとしてWindows2008R2をインストールします。インストール直後は約10GB使用しています。

インストール直後の状態だと、ABMの効果を得にくいので意図的に削除済みデータを作ります。
データベースSQL Server 2012をインストールしてディスクを約14GBまで使用したのを確認したあと、すぐにアンインストールしました。

SQL Server 2012をアンインストールして約4GB分が削除されたことを確認します。

ファイルの削除や、アプリケーションの削除をすると、みかけ上はディスクの空きサイズは増えますが、実はディスクには削除済みブロックとして残っています。

この状態で、
 (1) ABM無効CBTのみ有効
 (2) ABMとCBT両方有効、
 
のジョブを実行し、バックアップ結果を比べてみました。

(1) ABM無効CBTのみ有効でバックアップした場合

(2) ABM有効CBT有効でバックアップした場合

以下のような結果となりました。

  (1)

(2)

 ABM  無効  有効
 CBT  有効  有効 
 バックアップサイズ    14.65GB  10.63GB
 バックアップ時間  12分11秒  9分21秒

ABM無効のバックアップではバックアップサイズが14.65GBになり、CBTを有効にしても削除済み不要ブロックも含んでしまっています。
ABMを有効にしてバックアップすると、10.63GBのバックアップで済み、ABM無効に比べてバックアップ時間も短縮されました。

VMwareのVADPバックアップでCBTを有効にすると実使用量バックアップができることにはなっていますが、ABMのような機能を使用しないと、OS上削除されたことになっている不要ブロックもバックアップしてしまいます。
ファイルの追加や削除が頻繁に行われる仮想マシンでは、VMware 標準のVADPバックアップでCBTを有効にして実使用量といってもほぼ仮想ディスクフルサイズのバックアップになってしまう可能性があります。
このような仮想マシンのバックアップには、クエストソフトウェアのvRangerまたはNetVault Backup VMware Plug-inのABM機能がバックアップサイズとバックアップ時間の短縮に有効と言えます。

 

 ※なお、この計測値は、検証環境での値になります。環境によっては値が異なる場合がありますので、NetVault無償評価版にてお試しください。 

 

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