このシリーズを始めた第1回のころのNetVault Backup(NVBU)のバージョンは v9.0.1でした。Windows Server 2012に対応するNVBU v9.1.1もリリースされ、今月は重複排除アプライアンス DR4100 RDAに対応するNVBU v9.2をリリースしました。
今回は、古いバージョンのNVBUマシンを最新バージョンにアップグレードする方法について紹介します。

> NetVault はバージョン混在をサポートしています

NetVaultの特徴の1つでもありますが、NetVaultはバージョン混在をサポートしています。
したがって、NetVaultの最新バージョンがでたからといって、すぐにNVBUサーバやクライアントマシンをすべて最新にアップグレードする必要はありません。
各クライアントの運用スケジュールにあわせてアップグレードを計画することができます。

■基本ルール

・まずNVBUサーバを最新バージョンにアップグレードする
・NVBUクライアントは、サポートされている範囲で、古いバージョンのままでも良い
・ただし、古いバージョンのNVBUクライアントは、最新のNVBUサーバの機能を利用できない
・NVBUのアップグレードは基本的には、OS再起動が不要

ということになります。

 

■アップグレードの例

既にNetVault v9.0.1で導入され運用されているお客様の構成があると仮定します。


DR4100を新規導入して、NetVault v9.2の新機能RDA(ソース側重複排除)を利用することにしました。(と仮定します)

この場合、まず、既存のNVBUサーバを、v9.0.1から v9.2にアップグレードします。

そうすると、NVBUサーバ(v9.2)はDR4100に重複排除用RDAデバイスを作成できるようになり、ソース側重複排除バックアップが可能になります。
しかし、既存のNVBUクライアント v9.0.1は v9.2新機能であるRDAデバイスをバックアップ先にすることはできません。

この状態で、NVBUクライアント (v9.0.1)は、v9.2にアップグレードしなくても
NVBUサーバに接続された既存のバックアップデバイス(オートローダ)にバックアップを継続することはできます。

NVBUクライアントはそのまま、v9.0.1にしておくこともできますし、
v9.2にアップグレードすれば、v9.2新機能を利用することができるようになります。

たとえば、NVBUクライアントのうち、
ファイルサーバとWEBサーバは毎週の土日であればメンテナンスできるので次の土曜日にアップグレードすることにしました。
DBサーバは基本24時間365日稼働していますが、今度の年末年始にハードウェアメンテナンスが入ることになりました。そのついでにNetVaultを9.2にアップグレードすることにしました。

このように、NVBUクライアントのアップグレードは、運用スケジュールの都合にあわせることができます

> NetVault最新バージョンにアップグレードしてみよう

具体的な操作を紹介します。
基本的に、上書きインストールです。

1. まず、念のためにNetVaultデータベース(NVDB)をバックアップしておきましょう。
万が一、アップグレードに失敗した場合、元のバージョンのNetVaultを再インストールしてNVDBをリストアすれば、復旧させることができます。

2. NVBUコンソールやNVBUコンフィギュレータなどGUIを開いていたら、GUIを終了しておきます。
念のため、ウィルス対策ソフトや他のアプリケーションも終了しておくことをお勧めします

3. 最新版のNetVaultインストーラを、NVBUサーバにコピーし、インストーラを実行します。
古いバージョンのNetVaultがすでにインストールされていることを検出すると、アップグレードになります。

セットアップウイザードを進めていくと、通常のインストールの代わりに、NetVault Backup のアップグレード画面が表示されます。

アップグレードを続行してもよろしいですか?で「はい」を選択すると、アップグレード処理が実行されます。

インストールの完了が表示されれば、NVBUサーバは正常にアップグレードされ、使用できるようになります。

4. NVBUサーバが最新バージョンにアップグレードされたら、NVBUクライアントも同様に、最新版のNetVaultインストーラを実行し、アップグレードします。NVBUクライアント側のアプリケーション運用スケジュールの都合にあわせて、順次アップグレードします。

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