この記事は、US時間2025年8月7日にリリースされた最新版であるSharePlex12.1の概要をご説明させていただきます。詳細については、下記リリースノートをご確認ください。
SharePlex 12.1 - Release Notes
この度、Quest SoftwareのデータベースレプリケーションツールであるSharePlexの最新バージョン12.1がリリースされました。今回のバージョンアップでは、クラウド連携の強化や対応プラットフォームの拡充など、多くの新機能が追加されています。本記事では、SharePlex 12.1の注目の新機能について詳しく解説します。なお、各種新機能以外にも不具合等も修正されているため、積極的に新しいバージョンの使用をお勧めします。
クラウド連携の強化
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OracleからParquetファイルへの直接レプリケーション: これまで以上にスムーズなデータ連携が可能になりました。Linux環境において、OracleデータベースからApache Parquet形式のファイルへ直接データをレプリケーションできます。
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クラウドストレージへの対応: Amazon S3やAzure Blob Storageといった主要なクラウドストレージに直接データを保存できるようになり、クラウドファーストなデータ活用を促進します。
- これらの特徴を生かして、従来Snowflakeだけの対応だったものが、各種データ基盤への連携が実施しやすくなりました。
データ移行と同期の柔軟性向上
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Copy/Appendコマンドのサポート (OracleからPostgreSQLへ): OracleデータベースからPostgreSQLへのデータ移行や同期が、より柔軟に行えるようになりました。「Copy」コマンドによる一括データ転送や、「Append」コマンドによるデータの追加が可能です。つまり、OracleからPostgreSQLへの初期同期がとても簡単になります。
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Compare and Repair機能 (PostgreSQLからOracleへ): Linux環境において、PostgreSQLからOracleへのレプリケーションにおけるデータの整合性を保つためのcompare・repair機能がサポートされました。12.0ではOracleからPostgreSQLへの機能をサポートしていましたが、逆方向でもできるようになった形です。
高可用性とパフォーマンスの向上
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PostgreSQLのキャプチャ自動再起動: PostgreSQL 17の高可用性をサポートし、フェイルオーバー時にもシームレスな論理レプリケーションを実現します。これにより、データ損失を防ぎ、継続的なデータ連携を保証します。
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SharePlex Open Posterのパフォーマンス向上: バッチ処理のパフォーマンスが向上し、より高速なデータ処理が可能になりました。
監視とセキュリティの強化
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SpClient – Windows監視ユーティリティ: Windows環境でSharePlexのログやプロセスを監視するための新しいユーティリティ「SpClient」が追加されました。障害発生時のアラートやメール通知機能も備えています。SharePlex12.0で一旦削られたものが復活しました。
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OpenSSL FIPSプロバイダーのサポート: LinuxプラットフォームでOpenSSL FIPSプロバイダーを利用した暗号化操作がサポートされ、よりセキュアなデータ連携を実現します。
新しいプラットフォームへの対応
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Windows Server 2025: 各種DBでWindows Server 2025に対応しているものに対応していますが、詳細はリリースノートのマトリックスを確認する必要があります。Oracle19cであれば19.13以降であればWindows Server 2022同様に対応できるようです。
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MySQL 8.4