SharePlex10.2まではMKS Toolkitの設定の中で細かいシステム関連のチューニング調整ができるようになっていました。しかしSharePlex12.0のWindows版では内部コンポーネントがcygwinに変更されたため、設定方法が変更されています。

SharePlex12からの設定については、以下に記載があります。 

Windows system checklist

https://support.quest.com/ja-jp/technical-documents/shareplex/12.0/installation-and-setup-guide/2#TOPIC-2257421

上記からは、cygserver.confの定義を変更して、サービスとして起動しているCYGWIN cygserverを再起動する旨が

説明されています。なお、CYGWINSharePlexのサービス稼働に必要なため、再起動前にはすべてのSharePlexサービスを停止しておく必要があります。

cygserver.confの設定の実際例 

定義ファイルは実際にはSharePlex\cygwin64\etc\cygserver.confとして存在します。上記の説明に対応するようにconfigを記述するのは少し難しいかもしれません。そのため、それぞれの設定について内容を精査して設定例を以下に示します。

SharePlexのマニュアルガイドラインに沿った設定内容

各項目毎の設定方針は以下の通りです。

#kern.ipc.shmmni 192 -> デフォルトで問題なし

kern.ipc.semmns 60 -> コメントアウトして255へ増加

kern.ipc.semmnu 30 -> コメントアウトして255へ増加

kern.ipc.semmsl 60 -> コメントアウトして128へ増加

#kern.ipc.semopm 100 -> デフォルトで問題なし

kern.ipc.semume 10 -> コメントアウトして255へ増加

kern.ipc.shmmaxpgs 8192 -> コメントアウトして16384へ増加

#kern.ipc.shmmni 192 -> デフォルトで問題なし

#kern.ipc.shmseg 128 -> デフォルトで問題なし 

なお、マニュアル上はshmmaxの設定を100MBにする旨指示がありますが、shmmaxの設定項目はありません。

# Changing shmmaxpgs immediately affects setting SHMMAX.  The relation

# between shmmaxpgs and SHMMAX is:  SHMMAX = shmmaxpgs * getpagesize().

というコメントがあり、shmmaxshmmaxpgsを元に計算されるようになっています。

getpagesize()は、Windowsの仕様の4KBという情報があり、それを基準にするとデフォルトでは32MBで、16384に変更後も64MBとなり条件を満たしていないように見えます。

少し微妙ですが、デフォルトでも6インスタンス起動できたため、1インスタンスであればその2倍で十分とも考えられます。

 

マニュアルに従って一般環境の場合には、以下設定の追記で対応できます。

 kern.ipc.semmns 255

kern.ipc.semmnu 255

kern.ipc.semmsl 128

kern.ipc.semume 255

kern.ipc.shmmaxpgs 16384

なお、複数のSharePlexを1OS内で稼働させる必要がある環境では、必要なリソース量等を計算したうえで、cygwinの設定を変更する必要がある場合があります。

  • 0 comments
  • 0 members are here
Anonymous