Oracleデータベースをクラウド環境へ移行する

クラウド環境でのデータベースの利用が増えつつあります。
オンプレミスで稼働していたOracleデータベースをクラウド環境に移行出来ないか。と検討される方も確実に増えてきています。
Quest Software
社の提供しているSharePlexによる論理レプリケーションを活用することによって、今までオンプレミスで稼働させていたOracleデータベースをクラウド環境でバージョンアップされた新しい環境へ、ローコストかつ安全に移行することが可能です。

Oracleデータベースをオンプレミスからクラウドへ移行する際の注意点

Oracleデータベースをクラウド環境で利用できるサービスを提供しているクラウドベンダーとしては、以下の3つ挙げられます。

  1. Amazon社が提供している、AWS(Amazon Web Service)
  2. Microsoft社が提供している、Microsoft Azure
  3. Oracle社が提供している、Oracle Cloud

SharePlexも上記3つのサービス上で稼働させることが出来ます。
クラウド環境は既に自社で活用されているクラウドベンダーのサービスを選択するなど、現在の環境に応じて選択することが可能です。

クラウドへのデータ転送に時間が掛かる

単純にオンプレミスにあるデータベースのデータをクラウドにあるデータベースに転送するためには、途中にネットワーク回線を経由する必要があるため非常に時間が掛かります。データ転送の間、長時間に渡りシステムを停止する必要があり、その時間を確保できない限りには、クラウドへの移行が困難ということになってしまいます。リアルタイムレプリケーションの機能を活用すれば、長時間の停止時間は必要なく、その課題は解決することが出来ます。

  • 仮に8TB(テラバイト)のデータベースをクラウド環境にコピー移行する場合
  • 1Gbps回線で実質の転送効率としては、125MB/秒程度になりますので、理論的には1時間でも最大の低層容量が約450GBです。実行効率を加味すると、おおよそ22時間が必要という計算になります。昨今のシステムでデータ移行の時間だけで22時間以上の停止時間を確保するのは非常に難しいのではないでしょうか。

データベースの移行対象データの確認が難しい

データベースを移行する時に絶対に実施しなければならないのは、移行先のデータベースが本当に移行元と同じになっているかという点です。従来は、これを確認するためにさまざまなプログラムを開発したりしたものですが、SharePlexではこのデータの同一性確認の機能もツールの標準機能として提供されています。
もし移行先のデータが元のデータと違っていた場合には、元データからの修復までを自動で実行してくれます。

クラウド上でのトランザクションのパフォーマンス確保が難しい

オンプレミスで実行していたトランザクションが、クラウド上でのデータベースに移行した後で今までと同程度のパフォーマンスを出せないことが多く見受けられます。
これは、クラウド環境において、オンプレミスで稼働していたOracleデータベースと同等のOracleデータベースが稼働していますが、やはりオンプレミスとクラウドではインフラレベルでの実装が異なっているためにこのような課題が発生します。
それではこのパフォーマンスの検証をどのようにすべきかと言えば、本番と同じデータで十分な時間を取り、パフォーマンステストを入念に行える環境が必須ということになります。

クラウド上でのアプリケーションの稼働確認が難しい

オンプレミスで実行していたアプリケーションが、そのままクラウド上で動作するかの稼働確認も簡単なテストデータだけでは不十分です。やはりこちらも、パフォーマンステストと同様に、本番と同じ環境で充分な時間を確保して、稼働確認を実施するのが望ましいでしょう。

これら4つの課題を解決するためには、オンプレミスでの本番環境と切り離されているが内容としては、本番と同じ環境をクラウド上にも構築&維持して行く必要があります。
それを実現するのがSharePlexを活用したリアルタイム・レプリケーション環境になります。

Oracleデータベースのレプリケーション環境を構築

クラウド上のデータベースにおいてオンプレミスのデータベースと全く同じ環境をリアルタイムレプリケーションを活用して構築すれば、アプリケーションの稼働確認も、パフォーマンステストも、最新のデータを利用しながらの実施が可能になります。
SharePlex
は、データベースに発生したトランザクションをリアルタイムでレプリケーションが可能なため、移行先のデータベースも常に最新の状態に保たれます。
よって、開発者は移行をする前からクラウド上で最新データを使いながら開発とテストを行うことが出来ます。
切り替え時は、レプリケーションを一時的に停止して、利用ユーザーのアクセスをオンプレのデータベースからクラウド上のデータベースに切り替えるだけで完了します。ですので、データベースの停止時間を最小化することが出来ます。

Oracleの製品や機能としてGolden GateData Guard等さまざまなツールがあり、利用したい内容で組合が出来る反面、統一性にも少々乏しく、選択製品が増えれば増えるほど自ずとコストも増大していきます。
SharePlex
は、これらOracleであれば機能ごとに異なる製品が必要なところを、統一された1つのツールで実現が可能です。追加のモジュールは一切不要で、単一コストのライセンスにもなっているために、コストも大幅に低減(Oracleの標準ツールと比較して)することが可能になります。

クラウド移行目的以外での利用方法

本番のデータベース環境をいきなりクラウド環境に移行するのは、まだ少し不安が残る。と感じられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような時には段階的な適用方法として次のような活用方法はいかがでしょうか。

  • 遠隔地への災害対策用DR(Disaster Recovery)環境への活用
  • 昨今の気象の激しい変化から自然災害も甚大化し、災害対策用のDR環境整備が急務だ。と考えておられているのであれば、クラウド環境に災害対策用DR環境を構築されてはいかがでしょうか。
    災害時用という利用方法がクラウドの主なサービス提供方法である「利用分だけを支払う」という内容とも非常に相性が良いと考えます。環境として準備は最小ですが用意さえしておけば、いざ必要になった時に適正な大きさに増大して利用することが出来るからです。
  • クラウド環境での負荷分散への活用
  • オンプレミスにあるデータベースが昨今のデータ容量増大およびユーザーの利用頻度上昇でパフォーマンスに課題が出そうになっていたのであれば、参照系のトランザクション対応のデータベースだけをクラウド環境に構築して負荷分散を実施することも可能になります。

Amazon AWS環境に特化した機能

 Amazon社が提供するクラウドサービスのAWS(Amazon Web Services)において様々なサービスがありますが、その中の1つである、Amazon RDS(Relational Database Services) for OracleというPaaS(Platform as a Service)のクラウド型データベースに対しても、レプリケーション元として利用することが可能です。

まとめ

クラウドサービスの普及により、利用するシステムの特性に応じて、さまざまなインフラ環境の選択が可能な時代となりました。オンプレミスとクラウドのそれぞれの特徴を活かしながらシステム全体の稼働環境をデザインすることによって、ローコストでも安定したシステム環境の提供が可能になっており、データベースの分散管理をツールで自動化することによって運用負荷も低減しながら実装することが可能です。

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