>> はじめに |
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前回の第1回の講座で、おおよそのLAMPとLAPPの違いや、その構成要素について確認ができたと思います。今回からはまずLAMP環境を実際に構築し、そのバックアップ/リストア方法について確認していきます。
実際には、LAMPと一言で言っても、その使用目的は様々で、動作するアプリケーションも、オープンソースのものから商用のものまで多岐にわたります。
この演習では、その中でもオープンソースをベースに無償で使用でき、比較的構築が手軽な物として「XOOPS Cube」を取り扱っていきます。XOOPS Cubeは、Yahooやlivedoorのようなポータルサイト(コミュニティサイト)を手軽に構築することのできるソフトウェアです。XOOPS Cubeでは主に、次のコンポーネントが必要とされています。
- WWWサーバ: Apache推奨
- データベース: MySQL
- PHP
つまりこれらをLinux上で稼動させれば、すなわちLAMP環境そのものになります。それでは早速環境を作ってみましょう。
なお、事前にXOOPS Cubeのサイトを参照しておくと、イメージがつきやすいと思います。
>> XOOPS Cubeを動作させる環境を用意 |
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すべての手順を、この講座で紹介できれば良いのですが、ここではXOOPS Cubeを動作させるのが主な目的ではありません。とは言ってもノーヒントで構築してくださいという訳ではなく、その簡単な手順をご紹介したいと思います。
- Linuxをインストールしよう
OSには、主にRed Hat Enterprise Linux AS4(以下RHEL4)を使用しています。特にupdateのバージョンにこだわる必要はありませんが、今回は最新のupdate3を使用しました。その他のNetVaultがサポートするディストリビューションでも、XOOPS Cubeが稼動すれば問題ありません。
また、会社等ではなく自宅で手軽に試してみたいという時に、高額な商用のディストリビューションにお金を払って、というのは難しいと思います。そんな時には、Redhat Enterprise Linuxとバイナリに互換性がある、Cent OSを使用しても良いかもしれません。NetVaultでは正式な動作をサポートしていませんが、学習目的であれば充分です。
Linuxをインストールする際には、パッケージ選択の際に、後で必要となるコンポーネントをインストールしておいた方が楽でしょう。もちろん、OSインストール後に導入することも可能です。 - Apacheのインストール確認
Apacheは、OS標準でインストールが行われますが、念のためWebサーバのパッケージを「パッケージの追加/削除」から確認すると良いでしょう。RHEL4の場合には、サーバ項目のWebサーバにチェックが入っていれば問題ありません。
確認後に、/etc/httpd/conf/httpd.confを適宜編集し、サービスを自動起動するように設定します。
- Linuxをインストールしよう
# chkconfig httpd on
# service httpd start
# chkconfig mysqld on
# service mysqld start
デフォルトでは、rootでアクセスできるため
# mysql -u root
にてアクセスし、必要に応じてパスワード設定を行います。
- PHPのインストール確認
PHPは、実は開発ツールの中ではなく、Webサーバの中に含まれています。サービスではなく、スクリプト言語であるため、デーモンの設定は不要です。
以上の事前準備により、XOOPS Cube導入準備ができました。
>> XOOPS Cubeをインストールする |
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XOOPS Cubeの公式サイトよりインストールに必要なファイルをダウンロードし、Apacheで設定されたディレクトリに、解凍したディレクトリの中のhtmlフォルダをコピーします。
例えば、Apacheの設定により/var/www/htmlがドキュメントルートである場合、解凍したxoop2-2.0.xxフォルダ内のhtmlフォルダが/var/www/htmlになるようにします。
その後は、XOOPS Cubeのインストール手順に従っていけば問題ありません。事前に必要な作業は以下の通りです。
- Apacheの設定とデーモン起動の確認
- mysqlのデーモン起動の確認
- mysql用のアカウントを1つ作成しておく必要がある(パスワード設定も忘れずに)
- 管理者用のメールアカウントを1つ用意しておく。インストーラがメールアドレスの有効性を確認しているので、正しく使えるアカウントでないと受け付けない。
xoopsのファイルを配置後、Webブラウザでドキュメントの配置場所にアクセスすると、ウィザード形式でインストールができます。途中でエラーがでたら、表示されたエラーを修正するとともに、不明点は公式サイトで確認すると良いでしょう。
最終的にインストールに成功すると、次のような画面が表示されます。
>> NetVaultの準備 |
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NetVaultのインストールについては、「一からはじめるNetVault」で説明していますので、詳細は下記を参照してください。
NetVault 7.1.0のインストール
※本連載では、NetVault 7.1.2を使用しています。
また、バックアップ・デバイスには仮想テープライブラリを使用しています。データ量が少ないため、50MBのメディアが6本あれば十分でしょう。
仮想テープ・ライブラリの作成方法も、「一からはじめるNetVault」で説明していますので、詳細は下記を参照してください。
>> 次回は・・・ |
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LAMP環境の構築が終わりましたので、そのデータ配置について検討した後に、実際にMySQL用のバックアップのオプションを導入し、バックアップを行っていきます。データが入っていないと面白くありませんので、XOOPS Cubeに適当にデータを入れておくことをお勧めします。