>> はじめに |
前回は、1台のマシンへSharePlexのインストールを行うところまで解説しました。今回は、さらにSharePlex用のOracleの設定等を実施していきます。
なお、SharePlexでは、随時細かいリビジョンやパッチのバージョンが上がったバイナリがリリースされていますので、確認する時点で最新バージョンをご使用ください。大きな手順等に違いはありません。
では早速、前回の続きから作業を進めていきます。
>> 環境変数の設定 |
インストール時に設定したSharePlex用の管理者ユーザ用の、環境変数を設定します。最初にデフォルトで作成されるユーザのシェル環境がshになっているため、好みに合わせて変更します。ここではbashに変更してから、bash用の環境変数を変更しています。
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以下に.bash_profileに追記すべき内容についてご案内します。
最初にOracle用の設定を行います。この部分については、権限があればORA_NLS10以外は、Oracle用の管理ユーザの環境変数からコピーしてきてもよいでしょう。更にその下にSharePlex用の各種設定を行います。
- SP_COP_TPORT: SharePlex用のTCPポート (デフォルトは2100番)
- SP_COP_UPORT: SharePlex用のUDPポート (デフォルトは2100番)
- SP_SYS_PRODDIR: SharePlex用の"product directory location" (インストール時に指定)
- SP_SYS_VARDIR: SharePlex用の"variable data directory location" (インストール時に指定)
- SP_SYS_HOST_NAME: SharePlexのインストールされたマシンのホスト名
- SP_BIN: SharePlexの管理用ツールがあるbinディレクトリ
- SP_LOG: SharePlexのLOGが格納されるlogディレクトリ
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もちろん、すべて設定したら、環境変数が有効になるように、.bash_profileを実行するなり、ログインしなおす等してください。
>> SharePlex用のオブジェクトの生成 |
SharePlexは、レプリケーションを実行する際に、その管理用としてOracleデータベース内に専用のオブジェクトを使用します。動作にあたっては、最初にora_setupコマンドを使用しウィザードに従って生成する必要があります。まず、前提としてOracleデータベースが動作していることを確認しておいてください。
準備が整ったら、$SP_BINディレクトリに移動してora_setupを実行し、ウィザードに従って入力していきます。SharePlexがインストールされたマシンのOracle SIDを入力すると、SYSDBAを持つSYSTEMアカウントとそのパスワードを入力します。[ ]内にはデフォルトが表示されるため、そのままで良い場合には、単にEnterを入力するだけでよいです。
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SYSDBAを持つアカウントにより、SharePlex用のOracleユーザが作成されます。デフォルトは、SPLEXユーザで、パスワードも同じになっていますが、当然運用環境では変更が必要です。
また、実際にオブジェクトを生成する表領域やインデックス用およびTEMP用の表領域を指定します。例は評価環境で別途表領域を作成していないため、テーブルとインデックス用にはUSERS等を使用しています。運用環境の場合には、可能であれば専用が望ましいです。
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>> すべてのサーバへのインストール |
ソース・システムとターゲット・システムでの、インストール方法等に違いはありません。2台で確認するということであれば、双方にSharePlexのインストールおよびSharePlex用のオブジェクトの生成を行います。手順は、まったく同じになりますので、ここでは割愛させていただきます。
>> SharePlexの起動と確認 |
インストールが完了後、ソース・システムとターゲット・システムでSharePlexのメインのプロセスである、sp_copを起動します。
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※上記を双方で実行します。
メインのプロセス起動後に、SharePlexの管理用CLIコマンドである、sp_ctrlコマンドを実行して、ステータスを確認すると、copというメインのプロセスと、コマンドコントロール用のプロセスだけが起動しているのが確認できます (この時点では、どちらのシステムでも同じ表示です)。
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>> まとめ |
以上の作業で、SharePlexのインストールが完了して、レプリケーションの設定を受け入れる準備までが終了しました。インストール作業自体は、意外と簡単だという印象を持っていただけたかと思います。
ただ、この状態ではまだレプリケーション自体は行われていませんので、次回は簡単な設定方法と実際の動作確認方法等についてご紹介します。