>> はじめに |
今月から、従来のNetVault講座に加えて、新たにQuestデータベース管理講座が始まります!実は、Quest Softwareには、いろいろなデータベース管理用製品があるのですが、その中でも今回テーマに選んだSharePlexは、一番の注目製品なんです。
そもそもSharePlexってなんですか? っていう方も多いと思うので、早速ですがSharePlexについて簡単にご説明します。
>>SharePlexを一言で言うと・・・ |
Oracleのデータを論理的にレプリケーションするソフトウェアです。
レプリケーション・ソフトウェアは、データの複製をソフトウェアにより実現しますが、実はいくつかの種類に分かれています。
- ファイルシステム・ベース - それぞれのファイルの変更を検出して、ファイル単位でデータを更新します。ファイル・サーバ目的であれば、複製先のデータも使用できますが、データベースの場合には複製されたデータを使用して、データベースを別途起動できるわけではありません。
- ディスクのブロックベース - ディスクのブロック単位で変更を検出して、ブロック単位の差分を複製先へ転送します。複製先のデータは、通常はディスク全体が使えない状態になっており、災害時に切り替えることで使用可能になるソリューションが多いようです。
- 論理レプリケーション - データベースのトランザクション・レベルで、トランザクションの内容をキャプチャーし、その内容を稼働した状態の複製先のデータベースに反映させます。
SharePlexでは、論理レプリケーションを採用しているので、レプリケーション先のデータベースがいつでも使用できるというメリットがあります。
>> Oracleを論理的にレプリケーションできるとどんないいことがあるの? |
■純粋なディザスタリカバリ対策
地域的な大規模災害等が発生したりした中で、企業のBCP (ビジネス継続性計画 )を見直し、重要なデータを遠隔地へ保管する動きが、強くなってきています。ディザスタリカバリ用のソリューションはいろいろありますが、その中でも論理レプリケーションを採用するSharePlexでは、複製先のデータベースが常に使用できる状態にありますので、データベースのサービスを切り替える必要がなく、接続先データベースを変更するだけで、業務を継続できるというメリットがあります。
■リアルタイムにビジネス状況を把握するレポーティング
Oracleのデータベースに直接接続する必要がなく、負荷の低いREDOログファイルへのアクセスのみでレプリケーションが行えるので、基幹システム等ですでに負荷が高い状態のデータベースを、別のデータベースに複製し、複製されたデータベースを参照することで負荷を下げたり、複製されたデータベースをレポート作成目的に使用したりすることが可能です。
■データベース移行
通常は、データのエクスポート/インポートを実行するなどし、移行には長時間のシステム停止が必要になってきます。SharePlexでは切り替えまでの古いシステムでのトランザクションをキャプチャーしておき、切り替え後に新システムに対して差分を短時間で適用することで、短いシステム停止でのデータベース移行を実現します。
■データ分散と統合
1ケ所のデータを他のデータベースに分散したり、他のデータベースを1ケ所に統合したりなど、従来は日次や逐次での処理を行っていたものも、リアルタイムに情報連携することができるようになります。
>>SharePlexのよいところ |
■高いリアルタイム処理のパフォーマンス性能
SharePlexでは、独自のアーキテクチャー設計により、他のソリューションよりも圧倒的に高いリアルタイム性の高い処理を行うことができるようになっています。技術的な詳細については、今後、こちらの講座で解説していきます。
■実は、まだOracle 8iや9iを使っていて、新しいバージョンにしたい
特に古いシステムから新しいシステムへの移行においては、Oracle 8iやOracle 9iと言ったバージョンから、最新バージョンへバージョンアップしたいという要望があるかと思います。
SharePlexでは、異なるバージョンのレプリケーションもサポートしているので、Oracleのバージョンアップ移行の際もご利用いただけます。
■Oracleの高いライセンス費用を抑えるには? エディションを選ぼう!
基幹システムは、OracleのEnterprise Editionで構成していても、レポーティング目的の参照系のデータベースは、できるだけ安価なライセンスで構成したいという要望が多くなっています。
SharePlexは、Enterprise、Standard、Standard Edition One等、複数のEdition間のレプリケーションもサポートしているので、Oracleのライセンス費用を抑えることが可能です (もちろんEnterprise Editionでしかサポートされないオブジェクトやデータ型を、Standard Editionへ複製することはできませんので、ご注意ください)。
■OSだって今は選べる時代ですから
従来はUNIXをベースに構築してきたシステムを、LinuxやWindowsに移行したいという要望もよく聞きます。また、2011年3月に、Oracle社がItaniumプロセッサ向けの開発を中止するという発表を行ったことで、ItaniumベースのHP-UXからの移行を検討されているお客様も多いとのこと。
SharePlexは、Oracle社がサポートするOSを広範囲にサポートし、その異なるOS間でのレプリケーションも実現します!
■大きな環境 (Oracle RAC) から小さな環境へ (スタンドアロン)
ミッションクリティカルなシステムでは、システムの可用性とパフォーマンスを考えて、Oracle RACを導入するケースも増えています。しかし、その災害対策サイトまでもOracle RACで、というのは予算的にもなかなか厳しいようです。
SharePlexは、Oracle RACとスタンドアロンのデータベース間のレプリケーションに対応しているので、Oracleのエディションの自由度と合わせて、より柔軟なシステム設計が可能です。
>> まとめ |
今回は、簡単にSharePlexの使用用途や特長をご紹介しましたが、次回からはそれぞれの内容を掘り下げて、より詳しくご紹介していきます。お楽しみに!