→ WindowsPEベースのVaultOSが必要です
NetVault 13.1からオブジェクトストレージをバックアップデバイスとして追加しました。
これにより、Azure BLOBとAWS S3,その互換ストレージに直接バックアップできるようになりました。
また、オブジェクトストレージへのバックアップコストは追加オプション不要です。
NetVaultのさまざまなデータベースアプリケーションプラグインのバックアップ先としてオブジェクトストレージを利用できます
ただし、NDMPプロトコルを使用するプラグインは、オブジェクトストレージにバックアップすることはできません。
NDMPプラグインと、BMR Offline(RHELベースのVaultOS)が該当します。
BMRはCD起動可能な物理または仮想のWindowsマシンのシステムイメージをバックアップするオプションです。(CD起動不可のクラウドの仮想マシンではお使いいただけません)
BMRでバックアップやリストアに使用するVaultOSには、RHELベースのVaultOSと、WindowsPEベースのVaultOSがあります。
WindowsPEベースのVaultOSで、オブジェクトストレージにバックアップできるか検証してみました。
オブジェクトストレージとしてはオンプレのMinioを使用しました。
検証内容
- minioをオブジェクトストレージデバイスとして追加
- WindowsADKをダウンロードして、WindowsPEベースのVaultOSを作成
- NetVaultクライアント側でBMR Online Windowsプラグインで稼働中のシステムイメージバックアップをオブジェクトストレージ(minio)へ取得
- NetVaultクライアント側でWindowsPEベースのVaultOSを起動して、停止状態のシステムイメージバックアップをオブジェクトストレージ(minio)へ取得
- NetVaultクライアント側でWindowsPEベースのVaultOSを起動して、システムイメージバックアップをオブジェクトストレージ(minio)からリストア
検証で使用したバージョン
- NetVaultサーバ
- Windows 2019
- NetVault Server 13.1.2
- BMR Server 14.0.0.1 (VaultDR APM)
- NetVaultクライアント
- Windows2019
- NetVault Client 13.1.2
- オンラインバックアップしたい場合は BMR Online Windows 14.0.0.1
- オフラインバックアップの場合は WindowsPEベースのVaultOS
- Minioサーバ
- Windows2019
- minio RELEASE.2022-12-12T19-27-27Z
- Windows 10 ADK作業PC
- Windows10
- WindowsADK 10.1.25398.1 (September 2023)
- Windows PE add-on for the Windows ADK (September 2023)
- BMR ISO Builder (nvbmrisocreate) 14.0.0.1
ポイント
- WindowsPEベースのVaultOSを作成する
- クエストのダウンロードサイトからBMR ISO Builder (nvbmrisocreate) をダウンロードする
- WindowsADKとWindowsPEをダウンロードする
- nvbmrisocreateを実行してVaultOSを生成するときにNICドライバを組み込む
例:
nvbmrisocreate /TYPE:ADK /PKG:"C:\download\nvbmriso.pkg" /DIR:"C:\Program Files (x86)\Windows Kits\10" /ADDDRV:"C:\download\vmxnet3" /OUT:"C:\temp\bmr.iso"
- /TYPE:ADK
- /PKG:"C:\download\nvbmriso.pkg" BMR ISO Builderを解凍してnvbmriso.pkgのフルパスを指定
- /DIR:"C:\Program Files (x86)\Windows Kits\10" WindowsADKのフルパスを指定
- /ADDDRV:"C:\download\vmxnet3" NetVaultクライアント側マシンのNICのドライバファイルを指定
- /OUT:"C:\temp\bmr.iso" 生成したISOイメージの出力先パス
- NetVault サーバ側にBMR Server(VaultDR APM)をインストールする
- NetVault クライアント側に、前項で作成したISOをセットしてISO起動する
- Network Adapterが空白の場合は、NICを認識していないので、nvbmrisocreateで適切なNICドライバを入れてISOを作り直す
- NetVaultクライアント側のIPアドレスを入力してconfigをクリックする
- NetVaultサーバ側で、バックアップジョブのセレクト画面でVaultDR APMをドリルダウンして、NetVaultクライアントのマシン名とIPアドレスを設定する
- OKをクリックすると、NetVaultクライアント側で起動しているPEベースのVaultOSと接続確認をして設定終了する。
- NetVaultクライアント側でVaultOSが起動していないと設定は完了しない
- NetVaultのバックアップデバイスとして、オブジェクトストレージを選択し、minioを設定
- バックアップ①NetVaultクライアント側はVaultOSを起動して、BMR Offline(VaultDR APM)のジョブを実行してオフラインイメージバックアップ
- オブジェクトストレージにバックアップされ正常終了することを確認
- バックアップ②NetVaultクライアントにBMR Online Windowsをインストールして、バックアップ先をオブジェクトストレージ(minio)に設定してオンラインイメージバックアップ
- オブジェクトストレージにバックアップされ正常終了することを確認
- リストアジョブを作成するときは、クライアント指定をNetVaultサーバに設定すること
- この例では、クライアント(HOL-CLIENT)ではなく、NetVaultサーバ(NVSRV)を指定している
まとめ
- 今回の検証ではオブジェクトストレージとしてminioを使用しましたが、Azure BLOBやAmazon S3でも同様に使用可能です
- NetVaultサーバ自身のBMRは、RHELベースのVaultOSを使用するため、オブジェクトストレージデバイスにバックアップできません。
- NetVaultクライアント側でWindowsPEベースのVaultOSを起動すると、BMR offlineでオブジェクトストレージデバイスにバックアップ・リストア可能です
- NetVaultクライアント側でBMR Online Windowsでオブジェクトストレージデバイスに保存したバックアップを、WindowsPEベースのVaultOSで起動してBMR offlineでオブジェクトストレージデバイスからリストア可能です
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作成日付 2023年12月