アプリケーションモダナイゼーションとは

アプリケーションモダナイゼーションは、組織のデジタル変革のための重要な要素であり、軽視してはなりません。これは、アプリケーションの基本設計を再考し、おそらくビジネス目標をより良くサポートするための異なるプログラミング言語を使用して異なるプラットフォーム上で再設計することを意味します。

このため、新たな市販のソフトウェアを購入すべきと考える者もいるかもしれません。これは、人事や経理などの一般的な業務であれば可能かもしれません。しかし、多くのレガシーシステムは、組織に固有のビジネスプロセスを実行するために大きくカスタマイズされています。

アプリケーションモダナイゼーションのプロセスを加速する前に、ハイブリッドクラウド運用、BizDevOps、DataOps、機密データガバナンスのためのフレームワーク、技術、およびプロセスが導入されていなければなりません。これは、データとアプリケーションのエコシステムを正しくモデル化、移行、管理、監視、ガバナンス、および保護できるように、変革の間およびその前後に適切なツールを用意しておくという意味です。

プロセスフローとデータ構造をモデル化する必要がある

新しいアプリケーションに取り組む場合と同様に、まずは考えてモデル化する必要があります。これはレガシーアプリケーションでも同様です。新しいアーキテクチャをレガシープログラムの上に構築する前に、プロセスフロー、データ構造、それらの関係を整理して定義する必要があります。

これにはプロセス・モデリング・ツールが役立ちます。ワークフローや接続データの入出力をわかりやすく可視化することで、ビジネスユーザとテクニカルユーザが同様に理解できるようになります。組織によるデータの定義と分類に役立つように、データ・モデリング・ツールは、データ自体とそのメタデータを深く掘り下げます。これが、情報システムでデータを使用できる基準とルールの確立に役立ちます。これらを併用してモデリングを行うことで、刷新されるアプリケーションとその将来の構造の全体像が得られます。

データをアンロックし、移行する必要がある

レガシーデータベースに保存されているデータは、特に他のシステムのデータ形式と一貫性がない場合は取り出しが困難なことがあります。また、データベースのバージョンが古いままになっている可能性もあります。

また、アプリケーション・モダナイゼーション・プロジェクトの計画を開始する場合は、ETLプロセスの一環として、古いシステムから新しいシステムへデータをマッピングする方法を必ず考えておいてください。データ・レプリケーション・ツールを使うと、移行プロセス中にデータを継続的に変換でき、データのソースとターゲットを同期させてビジネスの中断を防げます。

インフラストラクチャとアプリケーション運用を管理する必要がある

組織がサイロの制限から解放されると、BizDevOpsやDataOpsなどのアジャイル手法に加え、CI/CDなどの自動化ツールを利用して、ビジネス価値の提供を加速できるようになります。お客様の企業では、最新のアプリケーションに既にアジャイルとDevOpsの手法を採用済みですが、より高速で効率的なビルド、テスト、展開に役立つツールを十分に活用していないことがあります。また、ハイブリッド・クラウド・アーキテクチャには、クラウドの無秩序な増加を防ぎ、コンテナを管理し、コストを抑えるためのさまざまなツールとスキルも必要です。

アプリケーションおよびデータベースのパフォーマンスを監視する必要がある

多くの場合、古いハードウェア、オペレーティングシステム、アプリケーション、およびデータベースの保守コストが、アプリケーションモダナイゼーションの大きな推進力となっています。しかし、アプリケーションが十分に機能せず、処理の待機時間が長いことも理由の1つになります。

アプリケーションのモダナイゼーションの重要な目標は、アプリケーションの実行を改善し、ユーザエクスペリエンスを向上させ、より多くのビジネス価値をより迅速に提供することです。インフラストラクチャおよびデータベースのパフォーマンス監視ツールは、アプリケーションを常に最高の状態で実行するために役立ちます。これらのツールにより、発生する前に問題を検出し、素早く修正することができます。また、このツールは、トランザクションの実行に不具合があることも検出し、正しく実行されるよう自動的に修正することができます。これが、データベースワークロードの効率を維持し、予期しないクラウドのコストを抑えるために役立ちます。

堅牢なデータガバナンスを導入する必要がある

データガバナンスの一環として、企業はいつ、どのようにデータを使用するのか、誰が見ることができるのか、どのようなルールやポリシーに従う必要があるのかを決定しなければなりません。データガバナンス構造は、ルールに従う必要のあるすべての企業だけではなく、データを安全かつプライベートに維持したいすべての企業にとっても重要です。

データ・ガバナンス・フレームワークは、データの処理および使用方法の変更が必要なため、実践が困難なことがあります。しかし、ビジネスニーズを満たす方法でエンタープライズデータを収集、アクティブ化、管理できる、データ資産に関する情報を保存する共有メタデータリポジトリの作成に役立つ自動化ツールがあります。これらのツールは、データのカタログ作成、データリネージュの追跡、データリテラシーの向上などを行います。

企業やITコミュニティは、いずれもこの共有メタデータのメリットを活用し、使い慣れたセマンティックを使用してそれぞれが理解できる形式で情報を表示できます。これがデジタル変革プロセスのサポートに役立ち、優れたコラボレーションを推し進めます。

機密データを保護する必要がある

古いアプリケーションには、個人情報だけではなく、多くの機密データが含まれることがあります。企業秘密、財務データ、また漏洩するとビジネスに損害を与える可能性があるその他のタイプのデータも含まれる可能性があります。

アプリケーションのモダナイゼーションプロセスでは、重要なデータを特定し、開発、テスト、および運用中にデータを安全に保つための措置を講じることが重要です。それまでの手順では、すべてのデータ要素を定義および分類す��メタデータリポジトリが作成されています。次の手順として、組織は、マスキング、編集、暗号化などの手法を使用して機密データを保護するツールを使用できます。これらのツールは、データの保存場所にかかわらず使用できます。