NetVault Tips #112

【ご注意】 本Tips!は、CDイメージにファイルを追加する方法について解説します。VaultOSにドライバ等を組み込む方法ではありません。また、追加の際に既存のファイル・システムの構造を変更した場合、サポート対象外となります。

BMR Offline、BMR Live Client for Windowsやローカル型BMRを使用する場合、少なくともリストア時には、VaultOSブート・イメージを使用して対象クライアントを起動する必要があります。このVaultOSにはほとんどのデバイスに対するドライバが予め組み込まれていますが、新しいデバイス等のドライバは含まれていない場合があります。その場合、USBメモリ・スティックやフロッピーに該当ドライバ・ファイルを入れ、そこから追加インストールすることが可能です。しかし、使用できるUSBスロットやフロッピー・ドライブがないマシンもあります。本Tips!では、こうした問題を解決するため、VaultOSのCDイメージの空き部分にファイルを追加する方法をご紹介します。

1. 本Tips!の環境
   本Tips! では、下記環境を利用します。 
   
   • VaultOS 5.7.1
   • CentOS Linux 5.7のマシン
   • mkisofs 2.01
   • VaultOS CDイメージに追加するファイル ※1
     ※1： ファイル・サイズはCDに入りきるサイズである必要があります。VaultOS 5.7.1は、約180MBなので、標準CDサイズ(650MB)だと、約470MB以下にする必要があります。VaultDR Server/Clientの場合は、約45MB以下です。
     
     
2. CDの中身をコピーする
   まず、CentOS LinuxにCDのマウント・ポイントと、CDの中身のコピー先ディレクトリを作成します
   
   Note： CentOS Linux 5.7では、実際には、特に何もしなくても自動的に/mnt/VaultOSにCDがマウントされるはずですが、ここでは、手動でマウントする必要があると仮定して下記設定を行います。また、本例では、rootユーザとして作業しています。
   
   # mkdir /root/VaultOS
   # mkdir /mnt/VaultOS
   # mount -r -t iso9660 /dev/cdrom /mnt/VaultOS
   
   そして、/mnt/VaultOSの中身を/root/VaultOSにコピーします。
   
   # cp -R /mnt/VaultOS/* /root/VaultOS
   
   コピーが完了するまで、待ちます。
   
   
3. CDに追加するファイルをコピーする
   /root/VaultOSに、CDに追加したいファイルをコピーします。最終的に作成されるCDイメージ・ファイルがCDの許容範囲で、既存の中身に干渉しない形であれば、どのような構成でも問題ありません。以下は、単純にCDのルート・ディレクトリにファイルを追加する例です。
   
   # cp <追加したいファイル> /root/VaultOS
   
   
4. CDイメージ・ファイルを、mkisofsを使用して作成する
   mkisofsツールを使用してCDイメージ・ファイルを作成します。
   
   # cd /root/VaultOS
   # mkisofs -r -l -J -o ../<CDイメージ・ファイル名> -V VaultOS -b isolinux/isolinux.bin -c isolinux/boot.cat -no-emul-boot -boot-load-size 4 -boot-info-table .
   
   mkisofsの処理が終了すると、/rootに<CDイメージ・ファイル名>が作成されています。これを元にCDを作成してください。
   
   
5. 追加したファイルにアクセスする
   VaultOS起動後、追加したファイルにアクセスするには、CDをVaultOSのファイル・システムにマウントする必要があります。以下の画面になったら、CTRL + ALT + F2を押します。VaultDR Server/Clientの場合は、Terminalを立ち上げてください。
   
   コマンド・プロンプト画面に移動するので、マウント・ポイントを作成後、mountコマンドを実行します。
   
   # mkdir /mnt/VaultOS
   # mount -r -t iso9660 /dev/cdrom /mnt/VaultOS
   
   【ご注意】 /mnt自身にマウントしないようにしてください。
   
   以上で、CDに追加したファイルが、/mnt/VaultOS配下で確認できるようになります。VaultOS画面に戻る時は、CTRL + ALT + F1を押してください。

本Tips!では、Linuxマシンさえあれば可能な方法をご紹介しましたが、CDにファイルを追加するツールなどでも同様のことが行えます。