2013年3月号でNetVault Backup (NVBU) のExchange Server Plug-in 4.6を使って、Exchange DAGでPassive DBのみのサーバを優先してバックアップする方法をご紹介しました。今回のTips!では、Exchange Server Plug-inの最新バージョン5.0を使って、Exchange DAGでPassive DBのみのサーバを優先してバックアップする方法をご紹介します。
Exchange Plug-in 5.0では、Exchange Database Availability Group (DAG) を使用している環境のバックアップ・オプションとして、下記2つの新機能が追加されました。
【メモ】 NVBU Exchange Plug-in 5.0のオプションには、現在下記日本語に誤訳があります。次期バージョンで修正を目指していますので、笑いのネタにしてやってください。ユーザーの皆様にはご迷惑をお掛けし申し訳ございません。
尚、今回のTips!では、NetVault Backup 9.1.1とNBU Exchange Server Plug-in 5.0を使用しており、ここでご紹介する方法は、Exchange Server Plug-in 5.0以降でのみ対応しています。
設定手順は、下記の通りです。
1-1: NetVaultコンフィグレータの "ネットワーク・マネージャ"タブから "コネクション"タブを選択し、下記項目の指定を行います。本設定は、DAGデータベース・サーバであるNetVault Backupクライアント側で行う必要があります。 NetVaultサーバ側での設定は必要はありません。
1-2: 次に、NetVaultサーバのNetVaultインストール場所の配下にあるetc/machines.datの確認を行います。machines.datの内容は[NetVaultマシン名]で始まるブロックが連続している形になっています。今回、確認の必要がある設定項目は、それぞれのNetVaultマシンのetc/machines.datファイルの以下3項目です。それぞれのNetVaultクライアントが使用したいIPになっている必要があります。 --- etc/machines.dat 始まり ---[Client_1]Networks=<Client_1のIPアドレス>Preferred Address=<Client_1がNetVault間の通信に優先的に使用するIPアドレス>Contact Address=<Client_1が実際に使用しているIPアドレス>--- etc/machines.dat 終わり --- 項目の値が違っている場合、NetVaultのサービスを停止後、machines.datを修正し、NetVaultサービスを再起動します。
1-2: 次に、NetVaultサーバのNetVaultインストール場所の配下にあるetc/machines.datの確認を行います。machines.datの内容は[NetVaultマシン名]で始まるブロックが連続している形になっています。今回、確認の必要がある設定項目は、それぞれのNetVaultマシンのetc/machines.datファイルの以下3項目です。それぞれのNetVaultクライアントが使用したいIPになっている必要があります。
--- etc/machines.dat 始まり ---[Client_1]Networks=<Client_1のIPアドレス>Preferred Address=<Client_1がNetVault間の通信に優先的に使用するIPアドレス>Contact Address=<Client_1が実際に使用しているIPアドレス>--- etc/machines.dat 終わり ---
項目の値が違っている場合、NetVaultのサービスを停止後、machines.datを修正し、NetVaultサービスを再起動します。
2-1: Microsoft Exchange Server Plug-in 5.0 を、NetVaultサーバのインストール場所配下のpackages\standardフォルダにコピーします。 2-2: "クライアント管理" 画面で、全ての対象NVBUクライアント (DBサーバ) を追加します。 2-3: "クライアント管理" 画面から、"クラスタ" > "仮想クライアントの作成" の順に選択します。 2-4: "NetVault仮想クライアントのインストール" 画面で、全対象クライアントを選択し、"-->"をクリックします。その他項目も、下記に従って設定し、"OK"をクリックします。 パッケージ - exs-5-0-x-y.npkを選択 仮想クライアント名 - 任意の仮想クライアント名を入力 アプリケーションのIPアドレス - DAGの仮想IPを入力 最後に、DNSやホスト・ファイルで、"仮想クライアント名"がNetVaultサーバとNetVaultクライアントで名前解決できるように設定してください。 ここまでは、Exchange Plug-in 4.6の設定方法と同じです。
2-1: Microsoft Exchange Server Plug-in 5.0 を、NetVaultサーバのインストール場所配下のpackages\standardフォルダにコピーします。
2-2: "クライアント管理" 画面で、全ての対象NVBUクライアント (DBサーバ) を追加します。
2-3: "クライアント管理" 画面から、"クラスタ" > "仮想クライアントの作成" の順に選択します。
2-4: "NetVault仮想クライアントのインストール" 画面で、全対象クライアントを選択し、"-->"をクリックします。その他項目も、下記に従って設定し、"OK"をクリックします。
最後に、DNSやホスト・ファイルで、"仮想クライアント名"がNetVaultサーバとNetVaultクライアントで名前解決できるように設定してください。
ここまでは、Exchange Plug-in 4.6の設定方法と同じです。
3-1: Exchange Plug-in 4.6の場合、"最も低いアクティブ化優先順位番号のデータベース コピーをバックアップ"オプションしかありませんでした。そのため、データベース・コピーからバックアップを行いたい場合、最も低いアクティブ化優先順位番号を持つデータベース・コピーをバックアップするオプションしかありませんでした。最も低いということは、Activeデータベースに何らかの問題があった場合、次にActiveになるデータベース・コピーがバックアップ対象となっている、ということです。このため、Activeデータベースに障害が発生すると、バックアップ対象としていたPassiveデータベースがActiveになってしまい、バックアップ対象から外れてしまうという運用上の問題がありました。この対応策としては、手動、もしくは何らかの形で、バックアップ前にバックアップ専用DBサーバ上のActiveデータベースを、他のデータベース・サーバへ移動する、ということしかありませんでした。これでは、せっかくのバックアップ専用DBホストの意味が薄れてしまいます。 3-2: Exchange Plug-in Plug-in 5.0では、最も高いアクティブ化優先順位番号、もしくは、任意のNVBUクライアントを指定してバックアップすることが可能になったため、以下の図にあるように、バックアップ専用DBホスト上のデータベース・コピーに最も高いアクティブ優先順位番号を振ることができます。バックアップ専用DBサーバは、他の3つのホスト全てに問題が発生しないかぎり、Activeデータベースを持つことはありません。バックアップ専用DBサーバ以外のホストに問題が発生した場合、サーバがActiveデータベースのホストとなってしまいますが、全ての他のDAGノードで問題が発生しているのであれば、さすがにメインテナンス作業が必要になるはずなので、その際に基に戻せばいいだけです。 3-2-1: "可能であれば優先Exchange Serverからデータベースをバックアップ" オプションの設定 このオプションを選択した場合、下図にあるように、"可能であれば以下のExchange Serverからに限りExchangeデータベースをバックアップ" にバックアップ対象としたいDAGノードのNVBUマシン名を優先順にカンマ(,)で分けて、入力します。下記の例では、DAG-MX03-HH1からバックアップしようとし、不可であれば、DAG-MX02-HH1から、と順番にバックアップ可能なホストを探していきます。 3-2-2: "最も高いアクティブ化優先順位番号のデータベース コピーをバックアップ" オプションの設定 このオプションを選択した場合、Microsoft Exchange Server側の設定で、Exchange管理コンソール、もしくはExchange管理シェルから、バックアップ専用DBサーバの全てのデータベース・コピーのアクティブ化優先順位番号を「4」に設定します。
3-1: Exchange Plug-in 4.6の場合、"最も低いアクティブ化優先順位番号のデータベース コピーをバックアップ"オプションしかありませんでした。そのため、データベース・コピーからバックアップを行いたい場合、最も低いアクティブ化優先順位番号を持つデータベース・コピーをバックアップするオプションしかありませんでした。最も低いということは、Activeデータベースに何らかの問題があった場合、次にActiveになるデータベース・コピーがバックアップ対象となっている、ということです。このため、Activeデータベースに障害が発生すると、バックアップ対象としていたPassiveデータベースがActiveになってしまい、バックアップ対象から外れてしまうという運用上の問題がありました。この対応策としては、手動、もしくは何らかの形で、バックアップ前にバックアップ専用DBサーバ上のActiveデータベースを、他のデータベース・サーバへ移動する、ということしかありませんでした。これでは、せっかくのバックアップ専用DBホストの意味が薄れてしまいます。
3-2: Exchange Plug-in Plug-in 5.0では、最も高いアクティブ化優先順位番号、もしくは、任意のNVBUクライアントを指定してバックアップすることが可能になったため、以下の図にあるように、バックアップ専用DBホスト上のデータベース・コピーに最も高いアクティブ優先順位番号を振ることができます。バックアップ専用DBサーバは、他の3つのホスト全てに問題が発生しないかぎり、Activeデータベースを持つことはありません。バックアップ専用DBサーバ以外のホストに問題が発生した場合、サーバがActiveデータベースのホストとなってしまいますが、全ての他のDAGノードで問題が発生しているのであれば、さすがにメインテナンス作業が必要になるはずなので、その際に基に戻せばいいだけです。
3-2-1: "可能であれば優先Exchange Serverからデータベースをバックアップ" オプションの設定
このオプションを選択した場合、下図にあるように、"可能であれば以下のExchange Serverからに限りExchangeデータベースをバックアップ" にバックアップ対象としたいDAGノードのNVBUマシン名を優先順にカンマ(,)で分けて、入力します。下記の例では、DAG-MX03-HH1からバックアップしようとし、不可であれば、DAG-MX02-HH1から、と順番にバックアップ可能なホストを探していきます。
3-2-2: "最も高いアクティブ化優先順位番号のデータベース コピーをバックアップ" オプションの設定
このオプションを選択した場合、Microsoft Exchange Server側の設定で、Exchange管理コンソール、もしくはExchange管理シェルから、バックアップ専用DBサーバの全てのデータベース・コピーのアクティブ化優先順位番号を「4」に設定します。
< バックナンバー・トップへ戻る