VaultDR PluginによるP2V (Physical to Virtual: 物理から仮想へ) (2) |
2009年8月号のTips!で、VaultDR Pluginを利用したP2Vの機能をご紹介しました。その後、新しいVaultDR Plugin (VaultDR Server v2.5、VaultOS v5.2.3、VaultDR Online for Windows v3.5) がリリースされたことで、P2Vがさらに簡単に実現ができるようになりました。本機能の対象となるマシンのOSはWindows 2003、Windows 2008で、VaultDR OfflineおよびVaultDR Online for Windowsのリストア時に指定することが可能です。今回のTipsでは、この新しいP2Vの方法をご紹介します。
尚、本Tipsでは、P2Vに特化したバックアップ/リストア手順を中心にご紹介します。個々の作業の詳細につきましては、NetVault Backup簡単設定ガイドや各種ドキュメント、過去のTips記事をご参考ください。
a. NetVault Backup (NVB) サーバを構成します。バックアップ・デバイスとしては、NVBサーバのローカル・ディスク上に構成した仮想テープ・ライブラリ (VTL) を使用します。追加でVaultDR Server pluginをインストールします。またバックアップ画面で、VaultDR Server pluginにDR対象マシンを登録しておきます。
b. ディザスタ・リカバリ (DR) 対象のマシンをVMwareの仮想マシンとしてリストアするには、VMware用のドライバが必要になります。2009年8月号のTips!の手順1-3を参照し、必要なドライバをBakBoneソフトウエアのサイトからダウンロードして、インストールします。ここで紹介するVMDKイメージのリカバリでは、SCSIドライバのみがサポートされているので、対象マシンのOSに合わせて適切な"vm_lsi_200x.inf"をインストールします。
a. DR対象マシンをVaultOSで起動します (起動手順の詳細に関しては、過去のTips記事やマニュアルをご参照ください)。OSのバックアップに必要なパーティションをバックアップ対象として選択します。また、ジョブに適切な名前を付けます。
a. バックアップ・オプションはデフォルトのままにし、バックアップ・ジョブを実行します。ジョブの成功を確認します。
a. ここからはリストアの説明です。リストア画面を開き、リストア対象を選択します。この時、"Master Boot Record and System Partition"とシステムが格納されたパーティションを必ず選択してください。
a. ESX Serverのデータストアに直接リストアする場合、データストア上にリストアする先のディレクトリが存在している必要があります。vSphere Clientなどで事前に作成しておきます。
b. リストア画面に戻り、リストア・オプション・タブを開きます。"Restore Type"として"Vmdk Images"を選択します。データをNVBサーバのローカル・ディスク領域にリストアするか、ESXサーバに直接リストアするかを選択できます。ここでは、ESXサーバに直接リストアします。"Restore to Remote ESX Server"を選択し、ESX Serverに関する情報を入力します。
- ESX Host: ESX Serverのホスト名かIPアドレスを入力します。
- Port: ESX Serverのリモート・コンソールのポート番号を入力します。
- Username: ESX Serverにログインするユーザ名を入力します。
- Password: ESX Serverにログインするユーザのパスワードを入力します。
- Path: VMDKファイルを作成するESX Server上のディレクトリを入力します。"[datastore]/dir name"のような形式で指定します。
必要な情報を入力したら適切なジョブ名を付けて、ジョブを実行します。
c. ジョブの完了を確認後、VMFS上にVMDKイメージがリストアされていることを確認します。データストア ブラウザでリストア時に指定したディレクトリの下にVMDKイメージがリストアされていることを確認します。
d. vSphere ClientでリストアしたVMDKイメージを使用して、新規の仮想マシンを作成します。vSphere Clientで、"ファイル" > "新規" > "仮想マシン..."を選択します。
- 表示される"新規仮想マシンの作成"画面で、"カスタム"を選択して"次へ"をクリックします。
- 新規仮想マシンの名前として適切な名前を指定し、"次へ"をクリックします。ここでは、仮想マシンの名前として、"ml370w2k3"を入力します。
- リストアされたVMDKイメージが存在するデータストアを指定し、"次へ"をクリックします。
- 仮想マシンのバージョンを指定し、"次へ"をクリックします。
- P2V対象のマシンのOSに合わせ、仮想マシンのOSを指定します。"次へ"をクリックします。
- 仮想マシンの仮想プロセッサの数を指定し、"次へ"をクリックします。
- 仮想マシンのメモリ サイズを指定し、"次へ"をクリックします。
- 仮想マシンのネットワークの設定をし、"次へ"をクリックします。
- SCSIコントローラとして"LSI Logicパラレル"を選択します。vSphere 4環境では必ずこのコントローラを選択します。ESX 3.5環境では"LSI Logic SCSI"を選択します。"次へ"をクリックします。
- 仮想ディスクの選択では、リストアしたVMDKイメージを使用するので、"既存の仮想ディスクを使用"を選択します。"次へ"をクリックします。
- リストアしたVMDKイメージを"ディスクファイルのパス"として指定し、"次へ"をクリックします。
- 必要があれば詳細オプションを変更し、"次へ"をクリックします。
- 最後に仮想マシンの構成のサマリーが表示されます。問題が無ければ、"終了"をクリックします。
- vSphere Client上に新規に作成した仮想マシンが表示されるので、その電源を入れ、OSの起動を確認します。
- リストア後、仮想マシンにVMware Toolsをインストールすることを推奨します。